軽度知的障害を伴う自閉症スペクトラムでの受給事例(障害基礎年金2級)

query_builder 2021/06/16
障害年金の受給事例
軽度知的障害 自閉症 障害年金受給事例 基礎2級_R

障害年金を受給することができるおおよその目安として1級は「身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない状態。活動範囲はベッド周辺など、室内に限られる程度」、2級であれば「家庭内の軽食作りや下着程度の洗濯など、極めて温和な活動はできるが、それ以上の活動はできず、労働により収入を得ることができない程活動範囲は家の中に限られる状態」、また、3級(障害厚生年金のみ)は「労働に著しい支障や制限があること。職場の理解や援助などの配慮のもとで就労ができる状態(短時間勤務や軽作業など)」と言われています。


特に精神障害の認定では、「普通に働くことができている」と判断されると、認定が難しくなってしまう場合があるため、就労の状況というのは認定においての1つのポイントとなってくるのは間違ありません。  


今回のご相談者様は、軽度知的障害を伴う自閉症スペクトラムによる請求でしたが、過去にフルタイムの長期勤務を続けてこられた実績がある方で、障害者手帳も最近取得されたという方でした。


初診日は在職中、厚生年金加入中でしたが、知的障害を伴う発達障害の場合、初診日は出生日となります。そのため、障害基礎年金での請求となる方でした。 


しかし、障害基礎年金は等級が2級からしかないため、勤務していることで少なからず認定に影響を与えるのではと思われました。


今回の請求では、「就労はしているが、実際の状況はどのようなものなのか」をいかに伝えていくかがポイントでした。  


障害の状態

病名 軽度知的障害を伴う自閉症スペクトラム

性別 男性(40代)    


幼少の頃より言葉の遅れが見受けられ、学校の授業にもついていくことができなかった。


また、周囲との人間関係も上手く構築できず、イジメにあうこともたびたびあった。


何箇所か勤務し、縁故採用での事業所では長く務めることもできた。しかし、いずれの職場でも同僚とのコミュニケーションは上手く行かず、事業所の配慮により何とか勤められているような状況だった。


プライベートでも色々な人間関係のトラブルがあり、何らかの障害があるのではないかと心配した家族の薦めで医療機関を受診、結果、軽度知的障害を伴う自閉症との診断だった。


日常生活においては、適切な判断ができず、家族の支援がありようやく成り立っている状況。


申請結果:障害基礎年金2級(事後重症) 年額:約79万

ご相談までの経緯

長年、精神面や日常生活を支えてくれていた母親が亡くなり、今後の生活全般について心配した家族が助けとなる制度がないか調べていたところ、当事務所のチラシを見て障害年金の存在を知り、請求のご相談をいただきました。

申請にあたって

初回相談時に、現在の生活の状態を簡単に確認させていただき、障害年金の制度説明やどのような請求になるかなどをご説明させていただきました。


相談時には今後退職の予定があったものの在職中で、7年以上も同一企業で勤められていたため、2級以上に該当するかが心配されましたが、詳しくお話を伺ったところ、縁故採用であり事業所からもかなりの配慮を受けているとのお話でした。


そのため、どれだけの配慮を受けているのか、また、一般就労の方々との就労状況の違いや職場における勤務態度、人間関係を明確にすることで、なぜ就労できているのかを審査する側へ的確に伝えることにしました。


幸いにも事業所からも協力していただくことができ、勤務状況・業務の内容・人間関係などについての意見書を作成しました。


これにより、「なぜ勤めることができているのか」が明確になったように思います。 その後、定期的な通院がなかったため近医を数回受診してもらい、日常生活状況についてのヒアリング内容や病歴就労状況等申立書等の参考資料と伴に診断書の作成依頼を行いました。

申請結果

病歴就労状況等申立書には詳細に初診日からの経過を記載し、就労や日常生活がどういったものであったのか、今までの状況が分かるようにしました。


また、現在の日常生活の状況についての資料や事業所からの意見書を添付し、裁定請求に望みました。


特に返戻などはなかったのですが、審査には時間を要し、請求書提出から4ヶ月強かかりましたが、無事、障害の状態が認められ「障害基礎年金2級、年額約79万円」の決定となりました。  


今回の申請にあたっては「働けているから障害年金に該当しない」というのではなく、なぜ働けているのか、実際はどんな状況にあるのか、を的確に伝えることができたのが結果につながったのではないかと感じています。


また、勤務先事業所の協力をいただけたことも大きかったと思います。 障害年金は書類審査です。書類に記載がなければ、どんなに状況が悪くとも審査する方へ伝わることがありません。


該当する可能性が低いからといって請求を諦めてしまう前に、どうすれば自分の状況が的確に伝わるのか、などを意識しながら手続きを進めることも大事なのではないかと思います。


なお、「自分一人ではどうして良いかわからない」、そのように悩まれている方は、一度、年金事務所などの相談窓口や社労士などの専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

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