障害年金の初診日とは?初診日の特定が最重要です!【動画解説あり】

query_builder 2020/08/03
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初診日 障害年金 証明_R

障害年金の制度では「初診日」は、「障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師(医師等)の診療を受けた日をいう」とされています。


この「初診日」は障害年金請求において最も重要な要素になり、この「初診日」が決まらないうちは、請求をすすめることが出来ません。


では、この「初診日」は具体的にいつなのか、解説していきたいと思います。


初診日について動画でも解説していますので、ぜひご覧ください!


初診日が重要な理由

疑問

初診日が重要なのはどうして?

セミナー講師

障害年金を請求するためには3つの要件があります。

①初診日(加入)要件
②障害状態要件
③保険料納付要件


この3つの要件すべてに初診日が関係してくるため、初診日が重要であるということになります。

座ってる白馬

3つの要件って具体的にはどんな内容なの?

セミナー講師

それぞれ説明していきます!


①初診日(加入)要件
言葉のとおり初診日で判断します。障害の原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であることが必要になります。

初診日における年齢や加入していた年金制度でもらえる年金が「障害基礎年金」なのか「障害厚生年金」なのかが決まります。

※20歳前に初診日がある方および日本国内に住所を有する60歳~65歳未満の期間に初診日がある方で、かつ、初診日において年金制度未加入である場合は「障害基礎年金」の対象になります。


②障害状態要件
障害認定日における障害の状態を判断するもので、障害認定日に、障害等級1級から3級のいずれかに該当していることが必要になります。

障害認定日は原則初診日から1年6ヶ月を経過した日とされており、初診日が基準となって決まります。


③保険料納付要件
「初診日の前日」において、「初診日がある月の2ヶ月前までの年金加入期間のうち、保険料の未納期間が3分の1以下であること」又は「初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと」が必要になります。

仮に初診日以後に遡及支払いをしていても、障害年金の保険料納付要件は「未納」扱いとなりますので、要件を満たさない場合があります。

保険料を遅れることなく納めることが、まさしく受給できるかできないかの分かれ道になります。

⇨これらのことから、障害年金の請求をする場合にはまず「初診日はいつなのか」を特定していくことが重要になります。

初診日はいつなのか

疑問

初診日が重要なのはわかったけど、初診日の具体例について教えてほしいなあ。

セミナー講師


初診日は「障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師(医師等)の診療を受けた日をいう」とされていますが、実際には、障害状態に至るまでに様々なシチュエーションが考えられます。

そのため、初診日として、具体的に次のような場合が例示されています。

①初めて診療を受けた日(治療行為または療養に関する指示があった日)

②同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
※医療機関がかわった又は同じ医療機関だが担当科がかわった等

③過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
※社会的治癒を含む

④過去に起因する疾病があっても社会的治癒が認められる場合は、その後に初めて医師の診療を受けた日

⑤傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
※誤診の場合を含みます。誤診の内容によっては「因果関係無し」とされる場合も

⑥じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日

⑦障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日

⑧先天性心疾患、網膜色素変性症などは、具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日

⑨先天性股関節脱臼は、完全脱臼したまま成育した場合は出生日が初診日、青年期以降になって変形性股関節症が発症した場合は、発症後に初めて診療を受けた日

発達障害は、自覚症状があって初めて診療を受けた日

先天性の知的障害(精神遅滞)は出生日
※後天性の場合は、原則通り初めて診療を受けた日 等

このように、傷病ごとに取り扱いが異なる場合があるため、初診日を特定する場合には注意が必要です。
疑問

⑦に相当因果関係っていう聞き慣れない言葉が出てきたけど、どういう意味?

セミナー講師
たしかに聞き慣れない言葉ですよね。

説明していきます!


障害年金では「前の疾病又は負傷がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、相当因果関係ありとみて前後の傷病を同一傷病として取り扱う」とされています。

つまり、相当因果関係ありの場合は現在の傷病ではなく、前の傷病で初めて医療機関を受診した日が初診日となるということです。

複数傷病がある場合には、「相当因果関係のある傷病の中で一番最初にかかった傷病の初診日」が初診日となります。

相当因果関係について、次のように具体的な例示がされています。



【相当因果関係ありと取り扱うものの例示】
①事故または脳血管疾患によって引き起こされた精神障害がある場合

②糖尿病と、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽など

③糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性のう胞腎、慢性腎炎に羅患し、その後慢性腎不全を生じたもの
※両者の期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱われる

④肺疾患にかかり手術を行い、その後、呼吸不全を生じたもの
※肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱われる

⑤結核の化学療法による副作用として聴力障害を生じた場合

⑥手術などでの輸血により肝炎を併発した場合

⑦肝炎と肝硬変

⑧転移性悪性新生物(がん)は、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できるもの

⑨ステロイドの投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死になった場合


【相当因果関係なしと取り扱うものの例示】
①高血圧と脳出血または脳梗塞

②近視と黄斑部変性、網膜剥離または視神経萎縮

③糖尿病と脳出血または脳梗塞

④ポリオとポストポリオ
※一定の状態で経過していた場合

相当因果関係ありとされる場合、前の傷病が相当前に発症している場合が多く、カルテの保存がされていないなどで初診日の証明が取れない場合も散見されるため、注意が必要になります。
疑問

知的障害の初診日の取扱いはどうなるの?

セミナー講師

「知的障害」の場合は、受診や療育手帳の有無にかかわらず、 出生日が初診日となります。

「発達障害」の場合は、通常低年齢で発症する疾患ですが、知的障害を伴わない場合では、初めて医師等を受診した日が初診日となります。


つまり、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、厚生年金期間に初診日があり、障害厚生年金を受給できる可能性があります。

知的障害と発達障害を併発している場合では、出生日が初診日と取り扱われます。


ただし、知的障害が単独で 3 級にも該当しない程度の場合は、発達障害単独の取扱いと同様に初めて医師等を受診した日が初診日となります。

特に、知的障害や発達障害にうつ病などの精神障害が併発している場合には、同一傷病と取り扱われるため、初診日の判断には注意が必要です。

疑問

健康診断って初診日になるの?

セミナー講師

平成27年10月以前は「健康診断により異常が発見され、療養に関する指示を受けた場合は、健康診断日が初診日」とされていました。

しかし、平成27年10月の制度改正により、医療機関で健康診断を受けた日は、原則、初診日と扱われないことになりました。

これは、健康診断の結果を処分してしまい、初診日の証明ができずに障害年金をもらうことができない人がたくさんいたため、このような改正が行われています。

つまり、初診日は健康診断や人間ドックの後に、病院に行って、「初めて医師の診療を受けた日」となります。

ただし例外として、初めて医療機関を受診した日の証明が取れない場合に、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、健康診断や人間ドックの結果など健診日を証明する資料を添え、健診日を初診日とするよう申立てをすることにより、健診日を初診日と認めることとされおり、過去の取り扱いが一部残っています。

社会的治癒とは

疑問

社会的治癒ってなに?

セミナー講師

「社会的治癒」とは、「傷病が医学的には治癒していない状態ではあるが、症状が消失して通常の社会生活が可能であり、かつ、原則として投薬治療が不要で、外見上治癒したと見えるような状態が、ある程度の期間にわたって継続している状態」とされています。

この「 社会的治癒」という考え方は、請求者を救済する趣旨で考案されたものとされており、前の傷病を初診日として申請するよりも後の傷病を初診日とした方が請求者に有利であれば、社会的治癒の申立を行って申請をするのも1つの方法になります。

疑問

社会的治癒に必要な期間は?

セミナー講師

社会的治癒の「ある程度の期間」とは、具体的に何年以上と決められている訳ではありませんが、「5年」がひとつの判断基準となっています。

ただし、これはあくまでも目安であり、4年でも認められているケースや6年でも認められていないケースなど、状況等から総合的に判断されることになります。

そして、障害年金でこの社会的治癒が認められた場合は、再び症状が出て初めて医師等を受診した日が初診日と扱われることになります。

社会的治癒で初診日の申請を行う場合に注意しなければいけないことは、社会的治癒を判断するのは保険者になるということです。

そのため、提出する病歴・就労状況申立書には、医学的な初診日からすべて記入を行い、そのうえで、社会的治癒を主張する期間について、治療をする必要がなかったことや、問題なく社会生活を送っていたことなどを記載していきます。


そして、それらを証明する資料を可能な限り添付し、社会的治癒後の初診日を記入して提出を行います。

疑問

通院していると社会的治癒は認められないの?

セミナー講師

社会的治癒には、投薬治療をまったく必要としていなかった場合だけでなく、少数ですが、維持的・経過観察的な治療が継続していても認められる場合があります。


再発防止のための予防的な服薬があっても認められる場合もあります。

逆に、病院に行きたかったが、治療費が無いために受診を中断していたという場合には社会的治癒にはなりません。

座ってる白馬

今回は初診日の重要性や様々なパターンについて少し理解が深まりました!

頑張りましょう

それはよかったです!


このように初診日の決定には様々な要素があり、障害年金請求において最も重要で、最も悩ましいものになっています。

初診日が分からない、初診日の証明が取れないという場合には、お近くの年金事務所や社会保険労務士に相談をしてみるようにしましょう。


初診日の証明が取れない時の対処法も解説しています。
どうする?初診日の証明が取れないときの対処法

初診日が特定できたら、次は障害認定日がいつになるのかを考えましょう。障害認定日についてはこちらをご覧ください。


当事務所では動画で障害年金の解説も行っておりますので、是非ご参考にしていただければと思います!

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